スマホやパソコンが普及し、ネット用語や若者言葉と呼ばれる言葉が毎日生まれる現代でも、昔からある「虫唾が走る」という言葉を使う機会って多いですよね。
よく使う言葉ですが、「虫唾が走る」の意味や語源をご存知ですか?
「虫唾が走る」の意味は、『虫が身体を這うような不快感』ではありません。
それでは、「虫唾が走る」の正しい意味や例文と語源・類似語についてご紹介いたします!
「虫唾が走る」の意味とは
虫って好きな人は好きですが、多くの方が苦手ですよね。
ゴキブリなんて家の中で見かけた日には、退治するまで眠れないという人も多いと思います。
「虫唾が走る」の“虫唾”とは、虫の唾(ツバ)や唾液のことで、それくらい嫌なもの=虫酸と考えて良いでしょう。
「走る」の意味とは
「虫唾が走る」という言葉を見ていると疑問に感じるのが、「“走る”とはどこからはなのか」ではないでしょうか。
実は、虫唾とは人間の胃液のことを表します。
胃液の酸っぱい不快な味を、虫の唾のようだと例えているんです。
子供の頃、給食を食べた直後に走り回って遊んだ経験ってありますよね。
その時に、胃液が口の中にまで上がってきたことがありませんか?
もしくは体調不良の時や、寝る直前に何か食べた翌朝など。
その時に、胃液が口の中にまで上がってきますよね。
胃液の酸っぱい液は、多くの人が「不快な味」と感じるはずです。
そう、「虫唾が走る」とは、胃液が口の中にまで上がってきた時のように不快だという意味なんですね!
例文
分かりやすく例を挙げると、
- あの子のぶりっ子には虫唾が走る
- 不倫という言葉には虫唾が走る
などではないでしょうか。
不快な気持ちや、嫌いなどの気持ちを表す言葉なので、例文は下記のようになるでしょう。
- あの人の言葉を思い出しただけで虫唾が走る
- あの話を聞くのは虫唾が走る思いだった
- 虫唾が走るほど気持ち悪い
- 虫唾が走るような事件が起きた
など、嫌な気持ちの例えや、胃液が上がってくるような不快感あった時などに使われます。
「虫唾が走る」の語源
「虫唾が走る」の虫唾を、わざわざ虫の唾に例えるなんて、遠まわしな例え方をするなー!っと思った人も多いと思います。
結論として、それほど胃液の味というのは誰もが不快に感じるということなんですね!
では、「虫唾が走る」の“虫唾”で例えられた語源とはどのようなものでしょうか?
虫唾の唾
この虫唾には、二つの考え方があります。
- むしず・・・胃の中に寄生している寄生虫の唾という考え
- むしづ・・・寄生虫が出す酸っぱい液という考え
二つの考え方は似ていますが、「虫唾が走る」の虫唾の呼び方を「むしず」とするか、「むしづ」とするかで語源が変わってきます。
地方などによって言葉の言い方が異なるので、その語源も地方ごとに違うということになります。
虫は八百万の神だった?
昔から伝わる言葉で、“虫”の一文字を使った言葉って多いですよね。
例えば・・・
- 腹の虫:腹の虫が治まらない
- 虫の知らせ:あの電話は虫の知らせだったんだ
- 虫の居所:今日は虫の居所が悪いんだ
- 虫のいい:虫のいいことを言うやつだな
昔から伝わることわざには、虫の一字を多く使用しています。
これには、諸説あるなかで“八百万の神”が関係しているという考え方があります。
この考え方によると、どんな物にも霊が宿る八百万の神の一つとして虫の一字を使っているんです。
さらには、この虫を使った言葉はあまり良い意味では使われませんよね。
八百万の神の虫は、良い行いをしない悪い神様ということになります。
「虫唾が走る」の類似語
「虫唾が走る」は、『胃の中に居る寄生中が出す唾が口の中に上がってくるような不快感』を表す言葉というのが分かりました。
つまりは、嫌いや苦手、気持ち悪いなどの意味という訳ですね。
実は、「虫唾が走る」に似た、類似語を言葉を私たちは日常生活で沢山使っているんです!
例えば、嫌い・苦手・気持ち悪いなども類似語ですし、あの子のぶりっ子は嫌気がさすなども類似語になります。
まとめ
「虫唾が走る」とは、『虫が体を這っているような不快感』ではありません。
正しくは、『胃液が口の中にまで上がってくるような不快感』です。
更には、「虫唾が走る」の“虫唾”は・・・
- むしず:胃の中に寄生した虫の唾
- むしづ:寄生虫が出す酸っぱい唾液
「むしず」か「むしづ」によって、2つの考え方があるんです。
直接「虫唾が走る」とは使わなくても、「虫唾が走る」は、「キモイ」や「生理的に無理」などの類似語で多く使う言葉なので、どこかで役に立つかもしれませんよ♪
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