葬儀で出棺の際、霊柩車が鳴らすクラクションにはえも言われぬ寂しさがあります。
しかし葬儀中は騒がしくするのは厳禁なのに、なぜ出棺であんなに長くクラクションを鳴らすのでしょうか。
変な疑問を持って最後のお別れでもやもやしないように、今のうちに霊柩車のクラクションの意味と由来を知っておきましょう。
なぜ霊柩車はクラクションを鳴らすのか
霊柩車がクラクションを鳴らすのには、当たり前な感じもしますが「最後のお別れ」という意味があります。
また、有名人など葬儀となると参列者が多くなり、参列の場所によっては霊柩車が目視しづらい場所が発生します。
霊柩車のクラクションはそうした場所にいる参列者にも出棺のタイミングを伝える意味もあるとされ、参列者全員が同じタイミング最後のお別れができるように、という意味合いもあるそうです。
出棺をすればもう故人と会えることはありません。
霊柩車がクラクションを鳴らしたら静かに手を合わせ、今までのお礼とお見送りを行いましょう。
しかし最近ではクラクションの音の大きさもあり、住宅地などが近いと鳴らさない、もしくは一瞬だけ鳴らす霊柩車もあるそうです。ちょっと世知辛い話ですね。
ところでこのクラクションには「特に意味はない」という意見もあります。
「霊柩車のクラクションは由来となっている風習の形が残っただけで、特別な意味は持たない」ということらしいのですが、では霊柩車のクラクションの由来とはどんなものがあるのでしょうか。
霊柩車のクラクションの由来となるもの
こういうことの例に漏れず、諸説あります霊柩車のクラクションの由来。
その中から由来として有力視されるいくつかをご紹介します。
茶碗割りの風習
これが由来として一番有力視されている、京都から北陸地方にかけて残る風習です。
霊柩車の出棺に合わせて茶碗を割るというもので、茶碗は生前に一番使っていた道具であるため、茶碗を割ることによって故人のこの世への未練を無くす意味があるとされています。
この茶碗が割れる音をクラクションで代替えしているという由来です。
汽笛や空砲の意味合い
昔の船舶では航行中に亡くなった人が出た場合、遺体の保管ができないなどの理由でやむを得ず海に流すことがありました。
その際に汽笛や、戦艦であれば空砲で故人を見送っていた名残で、クラクションを鳴らすという由来です。
一番鶏の鳴き声
ロレックスもGショックもない頃、夜明けを知らせるのは一番鶏の鳴き声でした。
その頃の葬儀というのは夜が明けて朝一番に出棺をして、戻ってきてから葬儀を行っていたので、霊柩車のクラクションはこの一番鶏の鳴き声に代わって鳴らしているという由来です。
霊柩車のホーン
霊柩車のクラクションは普通の車のクラクションと違い、「プアーン」という長い音ですね。
あれはクラクションではなく、ホーンが装着されているためあんな音が出ます。
一般にも「エアーホーン」の名称で販売されていて、探せば霊柩車と同じ音のホーンも手に入りますが、あまりにもそれっぽすぎるホーンの装着は、用途が用途だけにあまりおすすめできません。
霊柩車のクラクションの意味と由来まとめ
大変お世話になった人と、葬儀で最後の別れ。
変な疑問を持って気を散らさないよう、霊柩車のクラクションへの意味と由来の疑問はここで解決しておいてください。
まあ実際に葬儀へ行けば、故人との思い出で涙はぼろぼろ出てきて考える余地なんてなくなるでしょうが。
出棺の際にあのホーンが鳴り響いたら、静かに故人を送り出して上げましょう。
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