エスカレーターの立ち位置は左と右側どっちが正しいのか地域別で紹介

 

旅行先で降り立った駅のホーム。

さてさて改札に向かいますかとエスカレーターに乗ろうとして、右側と左側のどっちに立つかで悩んだことはないでしょうか。

よく「関西の立ち位置は右側で、関東の立ち位置は左側」なんて聞きますが、それは一体どこからどこまでのエリアなのか。

そもそも立ち位置として正しいのはどっちなのかを見ていきましょう。

エスカレーターの歴史

 

実は「エスカレーター」という言葉自体は1859年には既に存在していましたが1900年に日本で商標登録がされたため、商標権が切れるまでの50年間、「エスカレーター」はそれほど一般的な呼び名ではありませんでした。

エスカレーターが日本で初お目見えしたのは1914年、東京は日本橋にある三越具服店(現在の三越百貨店)で、その珍しさに多くの人が訪れました。

この際、紹介された名前はエスカレーターではなく「自動階段」として紹介されています。

当時のエスカレーターは横に並ぶスペースがない、言うなれば1人用エレベーターで右側も左側もなかったため、立ち位置に気を使う必要もありませんでした。

ちなみにこの日本発のエスカレーターは1923年の関東大震災で焼失。

日本発のエレベーターの取り壊し理由も関東大震災によるダメージであったため、1923年は日本初のエレベーターとエスカレーターの両方が同時になくなった年でもあります。

 

エスカレーターの正しい立ち位置は右側?左側?

 

ところで、なぜエスカレーターでは右側か左側のどっちかに立ち位置を固定しなければならないのでしょうか。

「急いでいる人が歩いていくから、右側か左側のどっちか一方に立つことでスペースを空けてるんでしょ?」

ふんふんなるほどなるほど。

ところで一般社団法人日本エレベーター協会(エスカレーターのことでもエレベーター協会です)では危険防止のためにエスカレーターで走ることはもちろん、歩くことの禁止も呼びかけています。

また、子どもをつれている場合や怪我などで片手が使えないなど、右側もしくは左側に立つことが困難な場合もあるため、エスカレーターの立ち位置をルール化というのは非常に難しいです。

というわけでエスカレーターの立ち位置は右側左側のどっちであっても、正しい正しくないということはありません。

ただ、日本エレベーター協会では立つ場合の例として左側に立つ図を使用しています。

エスカレータの立ち位置の右側と左側、切り替わりはどこ?

 

エスカレーターの正しい立ち位置というのがないにしても、実際に生活していれば右側と左側のどっちに立つかは習慣化されるもの。

自分の住んでいる場所はどっちに立つのか、今度の旅行先ではどっちに立つのか、地域別に見てみましょう。

 

エスカレーターの地域別立ち位置

関東のエレベーターは左側に立つ。関西のエレベーターは右側に立つ。

よく話題にもなるこの立ち位置ですが、いくつか説があります。

まず関東の左側ですが、これは武士が左側に刀を納める鞘を差していたため「鞘当てを起こさないように」が由来とされています。

「鞘当て」は現代風にざっくり言えば「喧嘩を売る」ってところですが、それが当時は刀を持った武士同士なわけですから、そりゃあ気を使うはずです。

江戸、つまり関東は武士が多かったために左側に立つのが習慣化されたわけです。

対して関西は商人が多く、お金やそろばんなどの商売道具を右手に抱えることが多かったため、その右側を守る意味も込めて右側に立つことが習慣化された、というのがエスカレーターの立ち位置に関する一説です。

もう一つの説としては、アジアで初の開催となった大阪万博です。

世界的にはエスカレーターで右側に立つことが多いため、大阪万博で多くの外国人が訪れた際の影響がそのまま関西に根付いたというものです。

ちなみに現在の日本では、エスカレーターの立ち位置で一般的なのは左側となっています。

エスカレーターで右側に立つ地域は以下の通り。

  • 大阪
  • 滋賀
  • 兵庫
  • 奈良
  • 和歌山
  • 高知
  • 徳島
  • 宮城

ただし京都については左側に立つほうが多いとの情報もあるので、現地の流れに上手く乗ってください。

意外なのは宮城が右側に立つということです。

これは外国人観光客が多いことや、仙台市の地下鉄開業時に世界では一般的な右側立ちに切り替えたなどの説があります。

こうして見ると、関西と関東でエスカレーターの立ち位置が違うというよりも、関西だけエスカレーターの立ち位置が違うといった感じですね。

 

男女で違うエスカレーターの立ち位置

 

実は男女でもエスカレーターの立ち位置が変わります。

「立ち位置が変わる」というよりは「立ち位置に気を使う」といったほうが正しいでしょうか。

エスカレーターに乗る際、女性は上側の段、男性は下側の段に立ちます。

これは何かの拍子に女性が倒れた際に男性が支えられるからという理由で、決して女性がスカートを履いているからとかいう不純な理由ではありませんよ。

ちなみにこれは階段でも同じです。

レディーファーストの現代において、覚えておいて損はないですよ。

 

エスカレーターの立ち位置まとめ

エスカレーターは立って乗るものであり、立ち位置は右側であっても左側であってもかまいません。

とは言っても実際は急いで上る人も多いわけで、そうした際にトラブルに巻き込まれないためにも、地域別でどっちに立つかは覚えておいたほうがいいかもしれません。

特に関西と関東を行き来する際は注意が必要ですね。

3件のコメント

エスカレーター左立ちの起源は、大阪のマネは嫌だという事で東京では左立ちにしたという話も聞きます。東京五輪の期間、当然外国からたくさん観光客が来ると思いますが、エスカレーターは国際標準の右立ち? 東京オリジナルの左立ち?

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