好きなものはたくさん食べたいものですが、ドーナッツの真ん中だけはどうしても食べられません。
なぜってそりゃあ穴だから。
こちとら中身ぎっしりの真ん中まで詰まっているドーナッツが食べたいのですが、どうにも穴が埋まる気配はありません。
なぜドーナッツの真ん中には穴があるのか、理由と意味がわかれば不満解消につながるかもしれないので見ていきましょう。
ドーナッツは最初、穴がなかった
ドーナッツの原型とされるのはオランダの揚げ菓子「オリークック」とされ、16世紀頃から食べられているこのお菓子の形は現在のドーナッツと違い球体で、真ん中に穴なんてありませんでした。
ここからリングドーナッツ、つまり真ん中に穴のある輪の形をしたドーナッツになったのは19世紀頃とされますが、なぜこの形になったかの理由は定かではありません
おそらく材料ケチったんでしょうね。冗談です。
ちなみに日本の戦間期、「ドーナッツ」は「砂糖天麩羅」と言い換えられていました。とても胃もたれを起こしそうなネーミングですね。
ドーナッツの真ん中に穴がある意味・理由
材料をケチったのでないとすれば、ドーナッツになぜ穴なんて開けるのでしょう。
実はドーナッツの穴にはちゃんと意味・理由があります。
穴の意味・理由その1:中まで火を通すため
ご存知の通りドーナッツを作るためには揚げることが必須ですが、真ん中まで火が通るのには時間がかかります。
これに関する逸話がこちら。
母親が作るフライドケーキはいつも真ん中が生焼け。
そこで少年は母親に「なぜ真ん中に穴を開けないの?」と発言。
これを受けて以降、母親は真ん中にフォークで穴をあけて揚げるようになり、これがドーナッツの穴の始まりという説です。
つまり生焼けを防ぐために真ん中に穴を開けるようになったというわけです。
ちなみにこの説とは関係なしに、純粋に効率的に火を通す方法を考えたら現在のドーナッツの形になったという説もありますが、個人的には少年の説の方が楽しいから好きです。
穴の意味・理由その2:膨張したドーナッツの逃げ道
これもドーナッツを揚げることに関係するのですが、ドーナッツは揚げられることで生地が膨張します。
外側の生地なら円の外側に膨れることができますが、真ん中は逃げ道がなくて生地が詰まってしまい、ふっくらとした食感がなくなってしまいます。
ドーナッツ全体を均一にふっくらと膨らませるために、真ん中には穴が開いているというわけです。
穴の意味・理由その3:苦し紛れで穴を開けた
どうしたんだろう、心が不安定かな?と思ってしまいますが、だいたいそんな感じです。
ドーナッツの歴史で触れた「オリークック」ですが、実は真ん中にクルミをあしらっていました。
さてさてドーナッツが世界に進出していく際、クルミが手に入らない地域は困りました。
「そうだ、真ん中に置くものがないなら、穴を開けよう」
とんでもねえ発想ですが、こんな説は楽しいから大好きです。
穴の意味・理由その4:インディアンの矢
ドーナッツはインディアンが放った矢が刺さったパン生地が油鍋に落ちたのが始まりという説。
オランダの揚げ菓子がドーナッツの原型であるという説を真正面から否定する説ですが、大好きです。
いろいろ使われる「ドーナッツ」
ドーナッツは原型では球体だったものの、現在ではリングドーナッツが主流です。
その形に似ていることからレコードのことを「ドーナッツ盤」と呼んだり、中心部が空洞化する現象を「ドーナッツ化現象」と名づけたりと活躍の場を広めています。
もしこれがオリークックの状態だったら特徴的な形ではないためこんなことはなかったでしょう。
真ん中に穴を開けることで飛躍したドーナッツは、芸名を変えてブレイクした芸能人みたいです。
なぜドーナッツの真ん中に穴があるのかまとめ
食べられる面積が減って損した気分になるドーナッツの穴ですが、それはドーナッツをおいしくするための工夫だったわけですね。
意味や理由がわかれば、穴への不満もちょっとは減るのではないでしょうか。
…そもそもそんなに深く考えないですか、そうですか。
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