初詣、初売り、初笑いなどなど。
正月には初がつくものがたくさんありますが、赤ちゃんにとってはそんな正月ですら初めて、つまり初正月ということになります。
せっかく初正月を迎えた赤ちゃんをお祝いするために、今回は初正月の赤ちゃんへの祝い方をご紹介。
併せて、正月に飾ってあるのがどうにも気になる破魔矢と破魔弓、そして羽子板の意味やいつまで飾るかなどについてもご紹介します。
初正月を迎えた赤ちゃんの祝い方
初正月というからには、赤ちゃんが生まれてから初めて迎える正月のことです。
祝い方と言ってもリースを飾ってクラッカーを鳴らし、ケーキにロウソク立てて一息で吹き消すというものではなく、ここで破魔矢や破魔弓、羽子板の出番が来るわけです。
赤ちゃんが男の子の場合は破魔矢だけ、もしくは破魔矢と破魔弓をセットで飾ります。
赤ちゃんが女の子の場合は羽子板を飾るといった具合です。
もし親戚の赤ちゃんの初正月を祝いに行って破魔矢と破魔弓と羽子板が飾ってあったら、やんわりと話題にしてみるといいかもしれません。
この初正月に赤ちゃんのために飾る破魔矢と破魔弓そして羽子板は、昔の風習では母方の実家が贈るというのがしきたりとなっていましたが、今ではこのような決まりはありません。
ちなみに地方によっては、初正月の祝い方として凧を上げるという祝い方もあるそうです。
初正月に飾る破魔矢と破魔弓、羽子板の意味
まず最初にお伝えしておきたいのが、初正月の祝い方でご紹介しましたが、破魔矢と破魔弓そして羽子板を飾るのは12月中旬からです。
破魔矢と破魔弓、羽子板を飾るのは初正月を迎える赤ちゃんのお祝いであり準備になります。
大晦日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれあまりよろしくないので、12月に入ったら早めに初正月を迎え入れる準備をすることをおすすめします。
取り急ぎお伝えしたところで初正月の破魔矢と破魔弓、羽子板の意味についてご紹介します。
初正月に飾る破魔矢と破魔弓の意味
破魔矢と破魔弓の区別について、念のために説明しておきます。
破魔矢が言うなれば「弾」、破魔弓は弦を張る「本体」です。
いつぞや友人と会話したら破魔矢と破魔弓の区別がついていなかったので、本当に念のためです。
話を戻して破魔矢と破魔弓を飾る意味です。
これは平安時代の正月に行われていた「射礼(じゃらい)」という弓で的を射る儀式が由来で、ここで使われたのが破魔矢と破魔弓でした。
もともと「ハマ」はこの「競技用の的」を意味する言葉で、これを射るので「ハマ矢」「ハマ弓」だったのですが、「ハマ=破魔」という音楽バンドのTHE 虎舞竜みたいな発想から、破魔矢と破魔弓の言葉が完成しました。
これが江戸時代から正月の飾り物として定着し、現在は男の子の赤ちゃんが初正月を迎える際の祝い方として「健やかに逞しく育ちますように」という意味を込めて飾るようになっています。
ちなみに以前は神奈川県の破魔矢奉製所という会社が「破魔矢」を商標登録していましたが、現在では「破魔矢」の商標登録はされていません。
初正月に飾る羽子板の意味
出典:http://hagoita.jp/
羽子板といえば羽根つきに使うものですが、女の子の赤ちゃんが初正月を迎える際は飾ることになります。
遊びと飾りだけかと思いきや、昔は厄払いの道具として羽子板が使われ、ここから初正月を迎える女の子の赤ちゃんへ羽子板を贈る風習が生まれたとされています。
羽子板そのものの厄払い効果に期待するのはもちろん、羽根つきのときに羽子板で打ち合う「羽根」は「無患子(むくろじ)」といい、「子が患わ無い」として無病息災の意味を持ちます。
また、「羽根」が飛ぶ姿が蚊を食べるトンボに似ていることから、子どもが蚊に刺されないように、(蚊が媒介する)病気にならないようにとの意味も込められています。
「男の子の赤ちゃんは破魔矢と破魔弓の2つも飾ってずるいや」という気持ちも、これだけたくさんの意味が込められた羽子板をもらえば、祝い方に納得してもらえそうです。
破魔矢、破魔弓や羽子板はいつまで飾る
「初正月の祝い方として飾ったのはいいが、もう2年目に突入しました」
あらずいぶんと物持ちが良いですね、なんてやり取りを成人まで続けるわけにもいきません。
出したはいいけど飾るのはいつまでが正しいんでしょうか。
初正月に破魔矢と破魔弓もしくは羽子板を飾って赤ちゃんを祝ったら、一般的には小正月である1月15日頃に破魔矢と破魔弓もしくは羽子板をしまいます。
新年の挨拶である「あけましておめでとう」の言う期間と通ずる物がありますね。
⇒新年の挨拶「あけましておめでとう」はいつまでか言うか知ってる?
「じゃあもう使わないから押入れの奥にしまおう」はちょっとお待ちを。
羽子板は桃の節句に、破魔矢と破魔弓は端午の節句にも飾りますので、取り出しやすい場所に保管することをおすすめします。
これが終われば破魔矢と破魔弓、羽子板を使う用途はなくなってしまうのですが、こういうものはゴミ箱にポイとはしづらいですね。
役目を終えた破魔矢と破魔弓、羽子板は神社やお寺に相談してみるといいでしょう。
ちなみにここまで書いておいてあれですが、いつまでも仕舞い忘れたら縁起が悪いなどの不利益は一切ないので、
「このまえ実家に帰ったら、初正月にもらった破魔矢と破魔弓がまだ飾ってあった」
なんてのもOKといえばOKだそうです。
初正月の赤ちゃんの祝い方まとめ
初正月は赤ちゃんの頃に一度だけです。
祝い方は12月中旬から赤ちゃんの性別に合わせて破魔矢と破魔弓か羽子板を飾り、小正月に仕舞うだけなので、それほどめんどうな祝い方ではありません。
赤ちゃんにしっかりと意味を込めた祝い方で、初正月を迎えてあげたいですね。
ちなみに今更ですがこの破魔矢と破魔弓もしくは羽子板を飾ることを「お正月節句飾り」と言いますので、ごま塩程度に憶えておいてください。
そして、破魔矢、破魔弓や羽子板をいつまでにしまうという決まりはないですが、いつまでも出しっぱなしにしておくわけにもいきません。
家に遊びに来た方に、
「いつまでも正月気分でいるんじゃないわよ」
と思われないように、飾る時期はほどほどに。
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