お正月の家に門松、しめ縄、鏡餅のお正月飾りを飾る。
もし私が日本というものを一切知らなければ、「この家の人は疲れてるのかな」と思うかもしれません。
実際のところお正月飾りは正月に歳神様を迎える神聖なものです。
そんな神聖なものならさぞ深い由来と意味があることでしょう。
というわけで今回はお正月飾りの種類から、由来と意味、本当の名前についてまでご紹介いたします。
お正月飾りの種類
お正月飾りの種類はたくさんあり、以下の通りになります。
- 門松
- 鏡餅
- しめ縄
- 玉飾り
- 餅花
- 輪じめ
- 床飾り
- 座敷飾り
- 掛け軸
- 生花
- 神棚飾り
- 羽子板
- 破魔弓
- 破魔矢
以上14種類ですが、現代においてこの全種類のお正月飾りをする機会は減っています。
そこで今回はメジャーな3種類
- 門松
- 鏡餅
- しめ縄
こちらを中心にお送りいたします。
お子さんが初正月を迎えるという方はお正月飾りに破魔矢と破魔弓もしくは羽子板が必要ですのでこちらをご覧ください。
お正月飾りの由来
先にピックアップした3種類のお正月飾り。
ではこの3種類がお正月飾りに選ばれた由来はなんなのでしょうか。
種類ごとにご紹介いたします。
門松の由来
正月は歳神様をお迎えして祀る時期です。
一年を通して緑であり続ける常盤木(ときわぎ)は神様が宿る木とされ、中でも松は古来の中国でも生命力、不老長寿、繁栄の象徴とされてきたこともあり、日本でも縁起の良い木として扱われたのがお正月飾りである門松の由来です。
また、「松」は「祀る」につながるとされているのも由来の一つです。
こういうダジャ…言葉遊びが由来となるものは多いですね。
ちなみに杉や楠なども常盤木のため、これらの木をお正月飾りとして使う地域もあるそうです。
一年中緑色の木って元気いっぱいじゃん!という由来ですね。
鏡餅の由来
名前の由来は鏡にそっくりな餅というシンプルなもの。
鏡は三種の神器に入るようにとても神聖なもので、歳神様の依代(よりしろ)にもなります。
神聖な鏡と大切な食料である米から作られる餅、この組み合わせは非常に縁起の良いためにお正月飾りに使われ始めたのが由来とされています。
大事なもので作られた神聖なものは縁起が良いという由来ですね。
鏡餅についてもっと詳しくはこちらの記事をどうぞ。
しめ縄の由来
しめ縄の由来は天岩戸の話にも出てくるくらい古いのですが、そこから書いたらもう古文の授業になってしまうのでざっくり言いますと、天照大神(アマテラスオオミカミ)が再び隠れないようにしめ縄で天岩戸を閉じてしまいました。
そんな神話にも出演できちゃうお正月飾りのしめ縄は、神様を祀るにふさわしい場所という意味を表します。
お正月飾りでもないのに神社がしめ縄を飾っているのはこうした意味があります。
つまりはお正月飾りにしめ縄を飾り「ここは歳神様が来るのにふさわしい場所ですよ」とアピールに使いだしたのが由来とされています。
ちなみに「しめ縄」は漢字で「注連縄」。
この「注連(ちゅうれん)」とは、中国で死霊が入らないように水を注いで清めた縄を意味しています。
早い話が、すごい神聖ということです。
由来もつまりはそういうことです。
お正月飾りの意味
メジャーな3種類の由来がわかったところで、今度はお正月飾りとして飾る意味を見ていきましょう。
門松を飾る意味
そろそろ出演料が発生するくらい出てもらっている歳神様。
お正月飾りの門松を飾る意味にも関係します。
門松を飾ることで歳神様に「ここが入り口ですよ。お迎えの準備万端ですよ」と伝える意味とその歳神様の依代、つまりは仮の住まいとなる意味を持っています。
ところで、ちょっと門松を想像してみてください。
ああ、今たぶん竹の方をメインに想像しませんでしたか。
ずいぶんと自己主張が激しいですが、メインは竹ではなく松です。
門松になぜ竹が入っているのか、それは「松は千歳を契り、竹は万歳を契る」という言葉が由来とされます。
簡単に言えば「いつまでも神様がうちに来てくれますように」という意味です。
ここまでの意味を要約すると、お正月飾りとして門松を出すことで神様が家に来てくれるわけですね。
鏡餅を飾る意味
門松が歳神様の依代であれば、こちらは歳神様への供物です。
「鏡餅の形である円形の餅を重ねることは、「円満に歳を重ねる」という意味を持ちます。
1月11日の鏡開きにこの鏡餅を食べることは神様の力を分けてもらうという意味があります。
鏡餅の飾りにもそれぞれ意味があり、特にメジャーなものはみかんです。
このみかんは橙(だいだい)の代用品で、橙は大きくなっても実が落ちないことから長寿と繁栄を意味し、橙の名にちなんでその繁栄が代々続きますようにという意味が込められています。
またダジャレですよ。
しめ縄を飾る意味
しめ縄というよりは、お正月飾りの場合はしめ飾りとしたほうが正しいでしょう。
しめ縄自体は由来でも触れたように非常に神聖なもので「周囲の穢れを清め、邪悪なものの侵入を防ぐという意味を持ちます。
そして一緒に飾られるものにはそれぞれ意味があります。
扇の意味
末広がりの扇は繁栄を意味する。
藁の意味
収穫の喜びと新年の豊作祈願にために神に捧げる。
みかんの意味
おめでたい正月を歓迎する意味で飾る。
他に鶴、亀、松竹梅、橙を飾る場合も。
ゆずり葉の意味
新芽が出るまで古い葉が落ちないところから、家系が絶えないことを意味する。
ごへいの意味
神の霊の依代。水を意味し、不浄を清める意味を持つ。
ちなみに私は記事を書くときに語弊を招かないように注意しています。
お正月飾りの本当の名前
お正月飾りの意味でちょっと触れましたが、「しめ縄」と呼ばれるものが「しめ飾り」の名前で呼ばれることもあります。
こうした別の名前で呼ばれるお正月飾りはいくつかあり、どちらが本当の名前というわけでもないのですが、変化する名前を紹介します。
- 「門松」と「松飾り」
- 「しめ縄」と「しめ飾り」
- 「床飾り」と「床の間飾り」
これらは馴染みの名前とは違う名前で呼ばれる場合がありますので、覚えておいてください。
お正月飾りの由来、名前、種類、意味まとめ
「お前が言うのかよ!」と言われそうですが、長ったらしくてややこしいですね。
名前が違ったり種類が多かったりと情報量が多いですが、これも長く続いてきた行事だからこその情報量だと言えますね。
今回の記事でお正月飾りの由来と意味を少しでも理解していただければこれ幸いです。
また、役目を終えたお正月飾りについては
こちらの記事を参考にしてください。
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