毎年2月の節分。
節分と言えば鬼がやってきて豆を撒いて撃退、最後に歳の数だけ豆を食べて終了というのが通例です。
最近では恵方巻きにかぶりつくのも全国行事になってきましたね。
そんな豆と海苔巻きのイメージが染み付いている節分ですが、いわしの存在を忘れてはいけません。
節分にいわしなんて初めて聞いた方も、もちろん節分にいわしは付き物だとご存知の方も、今回は節分のいわしのなぜについて、いわしを食べる意味や由来、飾り方について見ていきましょう。
節分にいわしをなぜ食べる
節分のいわしは通常のいわしと区別するために、「節分いわし」や「厄除けいわし」と呼ばれます。
節分にいわしを食べる習慣は主に西日本方面で多く見受けられます。
現在では全国区の知名度を持つ恵方巻きも西日本出身で、西日本は節分にこだわってますね。
さて本題の節分にいわしを食べる意味ですが、これには2つの意味があります。
- 栄養価の高いいわしを食べて、鬼にも負けない丈夫な体を作る。
- いわしの臭いで悪いものから家を守る。
この2つの意味について、もう少し詳しくご説明します。
栄養価の高いいわしを食べて、鬼にも負けない丈夫な体を作る
この意味は本当に読んで字の如くです。
いわしにはタウリンやDHA、EPA、カルシウム、ビタミンD、鉄分など栄養素が豊富に含まれていて、丈夫な体を作り、さまざまな病気を予防するのに効果的とされています。
料理にも使いやすく無病息災の願いも兼ねるいわしは、節分で重要な意味を担っています。
「いわし」は漢字で「鰯」ですが、「弱」の字が失礼に思えてきます。
いわしの臭いで悪いものから家を守る
いわしの栄養価という現実的なお話から打って変わって、こちらはいきなりおとぎ話チックです。
いわしよりもサンマで体験したことある方のほうが多いでしょうが、魚を焼くときは煙が大量に出ますね。
いわしもそれに漏れず、特に塩焼きの場合は大量の煙が出て、家中に臭いがついてしまいます。
このいわしの臭いを家につけることによって、鬼や邪気など悪いものが近づかないようにするという意味を持ちます。
場合によっては人間も近づきたがりませんが、そこは我慢しましょう。
節分のいわし飾り方
臭いのきついものや尖ったものが厄払いに使われることは珍しくありません。
節分では焼いたいわしをヒイラギのトゲに刺し、家の玄関に置く飾り方をします。
この飾り方は「焼嗅(やいかがし)」という風習で、いわしは臭いで鬼を追い払い、ヒイラギは鬼の目に刺さることで鬼を撃退するとされています。
ぼちぼち大仁田厚が乱入してきそうです。
焼いたいわしの頭をヒイラギのトゲに刺し、家の玄関に飾る。
これが節分でのいわしの飾り方です。
見た目だいぶグロテスクですが、そこは我慢しましょう。
なぜ節分にいわしなのか、その由来
節分の習慣自体は中国から伝わったとされ、現在のような節分の豆撒きの由来は室町時代以降からとされています。
で、肝心のいわしの由来についてですが、実はこの豆撒きが始まった頃はまだいわしの出番なく、いわしの由来については不明瞭な部分が多いです。
ただ、いわしを食べる習慣そのものは江戸時代の頃には既に西日本で浸透していて、節分にいわしを飾るという風習はそれよりも後、つまり割と最近になって出来たものです。
飾り方の項で少し触れましたが、臭いのきついものは厄払いに用いられます。
おそらくは室町時代から続く厄払いの節分に西日本の習慣が結びつくことで、「厄払いに臭いのきついもの=いわし」となり、いわしを飾るという風習が生まれたのでしょう。
節分のいわしまとめ
東日本ではまだ馴染みが薄いですが、西日本では古い歴史を持つ節分のいわし。
由来については不明瞭な部分が多いですが、まずはなぜ食べるのかの意味と、飾り方はどうしたらいいかを覚えておきましょう。
もしかしたら恵方巻きレベルの認知度になったとき、一目置かれる存在になるかもしれません。
ちなみに節分に食べる豆の数は数え年なので、満年齢に+1します。豆知識です。
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