普段日常生活の中で「かくいう私も○○」なんていう表現を耳にしますが、どんな意味を持っているのか意外としっかり説明できないもの…
インターネットなどを見ていても、間違えた使い方をしている方を見かけますが、あなたはちゃんと使えていますか?
特にビジネスシーンや目上の方と話す時の敬語として、間違えて使ってしまっては、関係を悪くする原因になってしまうかも。
この記事ではかくいうの語源や意味はもちろん、敬語やビジネスの場で使う言葉として正しいのかも紹介しています。
ぜひこの記事で「かくいう」の使い方を知って、大事な場面で失敗しないようにしておきましょう!
かくいうとは
かくいうとは漢字では「斯く言う」と書いて、“斯く”と”言う”の2つの単語からできている言葉です。
“斯く”という言葉は、万葉集や古今和歌集などでも使われている古い言葉で、あまり現代で使われているものではありません。
また「かくいう」という言葉は逆説的な表現を持っていることもあり、なかなか日常会話でも登場しにくい表現となっています。
語源が古い言葉だと言ってもだいたい通じますが、より簡単な表現の仕方もあるので、最近ではあまり使われることはありません。
かくいうの意味
かくいうは主に以下のような意味を持っています。
- このように言う
- こんな風に言う
斯くは「このように」という意味を持っていて、言うと組み合わせて「このように言う」という表現になります!
そのためよく使われる「かくいう私は」というのは、「このように言う私は」という意味で、主に直前の文章を否定して使われます。
かくいうの使い道
かくいうは先述した通り古語を使っている表現なので、あまり現代に向いている表現とは言えません。
ですが日常会話の中やインターネット・小説などで見かけることがあるので、現代で使われていないというわけではありません。
とは言ったもののかくいうは「とはいえ」などのほかの言葉に置き換えられる場面が多いため、優先して使う表現ではないでしょう。
友だちや家族などの親しい間柄であれば使うことはあっても、まず目上の人に対しての敬語としては不適切と考えておくと良さそうです。
かくいうを使った文例
それでは実際に「かくいう」を使った文例をいくつか紹介していくので、使い方の確認をしてみましょう!
- タバコを吸うのはやめなさい。かくいう私も喫煙者だけれど。
- 子供にゲームは1日1時間までとしつけている。かくいう私は毎日ゲームで3時間以上遊んでいる。
- きのこの山って美味しいよね!かくいう私はたけのこの里が好きだけど。
このように「かくいう」は直前に言った内容を否定して使われます。
また使える文章の内容を考えると、自分と同じか年下の人に使える表現で、年上の方への敬語としては適切ではないでしょう。
ビジネスシーンでかくいうは使えるのか
日常生活の中とはまた違って、ビジネスの場では使う言葉にも気を付ける必要がありますが、”かくいう”はビジネスシーンで使うことはできるのでしょうか?
古語を使っている表現ということもあって、かくいうは現代ビジネスにおいては使い道のある言葉ではないと言えそうです。
また「○○と言う私も△△」という逆説的な表現は、あまりビジネスシーンで使うことはないので、基本的には使わないと思っておいて良いでしょう。
かくいうの現代的な言い方・言い回し
斯くは古今和歌集や万葉集に登場する古語であるというお話をしましたが、現代向けにするならどのような言い回しが良いのでしょうか?
“かくいう私は”というのは「そんな風に言う私は」という意味を持っていますが、わざわざ”かくいう”と言わなくてもより簡単に表現できる言葉がほかにもあります。
- とはいえ
- そう言う
簡単で分かりやすい表現と言えばこの辺でしょうか。
「健康に気を遣いなさい。そう言う私も生活習慣が崩れているけど。」
というように話したほうのが、わざわざ”かくいう”を使って話すよりも表現が簡単で伝わりやすいですよね!
基本的には否定の意味を持つ接続詞「しかし、ですが」などと代用して使えることが多いと覚えておいて良さそうです。
まとめ
以上、「かくいう」の意味と使い方や例文!敬語やビジネスで使えるかについても紹介しました。
かくいうは”斯く”と”言う”の2つの単語からできている言い回しで、「かくいう私も(そんな風に言う私も)」といった意味で使われます。
いわゆる逆説的な表現で、今でいうところの”ノリツッコミ”のようなものだと思うと覚えやすいかも!
ですが古語が使われていることからあまり現代向けの言葉ではないと言えそうです。
日常生活などではたまに使えることもありそうですが、目上の方と話す場面やビジネスシーンなどで使うのはやめておいたほうが良いでしょう。
家族や友達などの親しい人と話す時に使う分には問題はありませんが、あまり使われない表現なのですぐに理解してもらえないこともあるかも…?
“かくいう”と似た意味でより簡単に表現できる言葉はいくつもあるので、基本的にはかくいうを使わなくて良い場面がほとんどと言えそうです。
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