マイクロ波の性質を利用して食品を加熱する調理器具である電子レンジ。
今やどのご家庭にもあり、使った事がない人の方が少ないのではないでしょうか?
電子レンジで加熱調理をすることをよく「チンする」と言いますよね。
この「チン」するに疑問を持ったことはないでしょうか?
今回は「チンするって何?」や、「他の言い方はないの?」など、ふと疑問に思ったことを取り上げようと思います。
豆知識などの少々入っていますので、どうぞご覧ください。
レンジでチンの意味と由来
レンジでチンとは、短く「レンチン」とも言われますが、意味としては簡単なもので、電子レンジを用いて加熱することです。
現在では、ボタンで設定する電子レンジが多く、終了音にチーンとなるものも少なくなって、別の効果音が鳴るものも多数出てきている印象が強いですね。
ですが、昔の電子レンジはダイヤル式の電子レンジが多く、ダイヤルを回して加熱時間を設定することで動き出し、終了の合図として、内臓されているベルが叩かれて「チーン」となる事から、レンチンという言葉が生まれたとされています。
ダイヤル式で、ベル内蔵型の電子レンジであれば、コンセントが刺さっていなくてもダイヤルを回せばチーンという終了音を聞けるのをご存知でしょうか?
これは、ダイヤルが元の場所に戻ることで、中に取り付けられている棒がバネによって弾かれて、ベルに当たるという構造で、そこには電気を流す必要がないのでコンセントが刺さってなくても音がなります。
ちょっとした豆知識ですが、近くにベル内蔵型のダイヤル式電子レンジがある場合は試してみてみてください。
レンジ調理が終わった時の音はなぜチンだったの?
日本で最初に発売された電子レンジは、1961年の国際電気(現:日立国際電気)が発売した業務用の電子レンジで、この頃は加熱終了時に何も音はしませんでした。
この電子レンジは、主に一部のレストランや、食堂車などで使われていたのですが、音がしないことで加熱が終わったことに気付かず、気付いた時には料理が冷めてしまっているとのクレームが多く入る様になっていました。
電子レンジは、短時間で加熱が終わるのが最大の魅力ですよね?
ですが当時は、そんなに早く出来上がると思われていなかったようで、放置されることがしばしばありました。
早川電機工業(現:シャープ)の社員がそのクレームを受けた後に、加熱終了の合図を付けることを思いつくのですが、当時の電子レンジはレストランなどの、広くて騒音がする厨房などで使われている事が多かったので、どんな音なら聞き取れるか悩んでいました。
そんなある日、早川電機工業の電子レンジ開発メンバーがサイクリングに出かけるのですが、とある社員が道幅が狭くなっているで注意を促すために自転車のベルを「チーン」と鳴らすと、そこに居た誰もがこちらを振り向いたのです。
それがヒントになり、1967年に実際に自転車のベルを内蔵した、「チーン」と鳴る電子レンジが誕生しました。
他の言い方は、海外では?
「レンチン」と同じ意味の言葉は他に無いのでしょうか。
また、海外には同じ意味を持つ、似たような言葉は存在するのか調べてみました!
日本では
「チンする」という言葉は、すでに一般的に広く使われるようになりました。
現在では、チン以外にも多くの終了音がありますが、言葉自体が独立をしているので終了音に関係なく「チンする」が使われているため、他の言い方は存在しないと言ってもいいのではないでしょうか。
海外では
英語では、本来「マイクロ波」「極超短波」という意味がある「microwave(マイクロウェーブ)」という言葉が、電子レンジを意味しますが、そのまま「電子レンジでチンする」という意味でも使われることが多いです。
また、レーザーなどの光線の効果音として使われる「zap(ザップ)」も「電子レンジで温める」という意味を持っています。
効果音が使われているあたり、zapがチンに近いかもしれませんね。
レンチンは辞書にも載っている!?
レンチンのイメージとしては、造語、若者言葉のイメージが強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですがこの「レンチン」という言葉は、なんと辞書に載っているのです。
近くに辞書がある方は探してみると面白いかもしれません。
電子レンジの終了音を消す方法はあるの?
電子レンジの終了音って、意外にうるさいですよね。
一軒家に住んでいる場合は、それほど気にしなくてもいいかと思いますが、マンションやアパートで暮らしていると、近隣の人を驚かせてしまうのではないかと、考えてしまうこともしばしばあるのではないでしょうか?
もしかしたら、夜中に鳴ってしまって隣の人の睡眠を妨害したとして苦情が来るかもしれません。
そんな悩みを抱えながら電子レンジを使うのも嫌だと思います。
ですが実は、電子レンジの終了音は消すことができるのです!
「え!消せるの!?」と思ったそこのあなた!
いますぐ電子レンジの説明書を見てください。
ほとんどの場合、終了音を消す方法は、説明書に書いてあります。
近くに説明書がない場合は、各製造会社によってある程度決められているので、紹介しようと思います!
SHARP製品の場合
「レンジ」と書かれたボタンを5秒程度長押しすると消音モードになる場合が多いです。
Panasonic製品の場合
取消ボタンを2秒長押し、それを3回繰り返す。
アイリスオーヤマ製品の場合
取消ボタンを3秒長押し。
この方法は、各製造会社の製品のおおよその消音モード切り替えの方法なので、製品によってはこの限りではない事もあります。
現在は、各製造会社のホームページなどから商品の取扱説明書をダウンロードできる様にもなっています。(説明書がダウンロードできない商品もあります)
もし、上記の方法で消音にならない場合は各製造会社のホームページから説明書をダウンロードするのが確実でおすすめです。
まとめ
今回は、「レンチン」について記事を書いてみました。
レンチンという言葉は、現在では一般的に普及していて、この言葉一言で意味が通じるものになりました。
ですが、どうしてその言葉が生まれたのか、他の言葉で表現できないかなど、疑問に思うことは多くあった思います。
その疑問に少しでも答えられていれば幸いです。
下記の記事には、電子レンジで暖めてはいけないものについて取り上げています。
お時間がある時にぜひご覧ください。
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