昔TVで放送されていた「トリビアの泉」が人気を博したように、人はどうでもいいことを知りたがりです。
一生行かないであろう北極と南極のどっちが寒くて、気温がどれくらいで生息する生物や氷のことを知ったところで何にもなりません。
でもその何にもならない知識が人間にはとても魅力的に見えるからしょうがない。
ともなれば今回はそんなどうしようもない北極と南極のどっちが寒いかと、違いを一緒に見ていこうじゃないですか。
北極と南極の違い
言わずとも文字から場所がわかるので、北極と南極が位置する場所についての説明は必要ありません。
ところで「南極大陸」とは聞きますが、「北極大陸」は聞いたことがないでしょう。
それもそのはず、北極はただ単に巨大な氷が海に浮いているだけなので、大陸ではありません。
対して南極は陸地の上に氷や雪が積もっているだけなので、万が一地球温暖化が進んで氷が全て解けてしまった場合、北極は跡形もなくなりますが、南極は陸地が残ります。
大陸か大陸じゃないか、これが南極と北極の最大の違いでしょう。
ちなみに南極は陸地に氷や雪が積もっているといっても、日本の雪国程度の想像では追いつきません。
南極大陸を覆う氷の厚さは平均でも約2,500m、最大であれば4,000mを超えるとされています。
また、回転方向にも違いがあります。
「なんだろう、書き手の脳みその回転がおかしくなったか」と思われそうなので、詳しく説明します。
南極点で空を見上げた場合、太陽や月、星は時計回りに移動します。
北極点で同じように空を見上げた場合、太陽や月、星は時計とは逆回りに移動します。
文字じゃわかりにくので、ちょっと体験してみましょう。
例えばジュースの缶をどっち向きでもいいので一方に回してみて、飲み口側からと底側の両方から見てください。
回している方向は一定なのに、見る方向によっては缶は右回りと左回りのどっちにも回っています。
これが北極点から見た空と、南極点から見た空で回転方向に違いが出る理由です。
ちなみに北極南極に限った話ではないのですが、北半球と南半球では竜巻の回転方向もトイレの水の回転方向も逆です。
北極と南極はどっちが寒い?
比べられないほどの大差なので先に言っちゃうと、北極よりも南極のほうが圧倒的に気温が低く寒いです。
これは先の北極が海に浮いている氷であるというのが関係していて、海の温度によって北極は温められているため、南極に比べれば気温は高いです。
北極の気温が高いのはあくまで「南極に比べれば」であって平均気温はマイナス30℃で、北極から少しずれますが北半球はシベリアのオイミヤコンでは最低気温マイナス71℃を記録しています。
もちろんバナナで釘を打つことは容易で、バナナとリンゴがあれば野球が出来るかもしれません。
しかしこの気温を更に下回るのが南極です。
もう想像するのができませんが、南極は平均気温がマイナス60℃、この時点で既に北半球の最低気温が視野に入ります。
南極は最高気温でも昭和基地の観測では10℃しかなく、最低気温はボストーク基地で観測されたマイナス89℃で、これは地球史上で最低の気温と言われています。
南極の気温たるや想像を超え、いやある意味では想像通り、水…は撒くことができないのでお湯を撒けば一瞬で凍り、濡れたタオルも一瞬でカッチカチです。
Q.「水」を一瞬で「氷」にする方法は?
A.漢字の「水」に点を足して「氷」にする。
南極行けばいいんですよ。
南極のこの気温の低さには理由があり、これは北極が海に浮いた氷であるのに対し、南極が大陸であることが理由です。
陸地のため海の温度が影響しづらいことと、平均で約2,500mの氷が覆っているため、必然的に高所の気温となります。
富士山の頂上付近に雪が残るように、高所の気温が低いのは周知の通りです。
ちなみに日本で観測された最低気温は北海道の旭川でマイナス41℃。
北極も南極も日本も内陸のほうが寒くなりやすいです。
しかしこの気温は北極では特別珍しくもない気温で、南極にいたっては平均気温にも届いていません。届かなくていいです。
北極と南極はどっちが寒いか、答えは圧倒的な差で南極です。
北極と南極に生息する動物・生物
北極にはホッキョクグマがいて、南極にはペンギンがいる。
この2種類の動物が生息しているのは有名なことでしょう。
特にペンギンはその見た目のかわいらしさから水族館をはじめ、ぬいぐるみなどでも人気を博しています。
ちなみに秋田県は男鹿市にGAOという水族館があり、初めてそこに行ってペンギンを見ていたら、こっちにお尻を向けて、大のほうを発射されました。
いい思い出ですが、北極南極関係なかったですね。
気を取り直して北極と南極に生息する動物・生物を見ていきましょう。
北極に生息する動物・生物
- ホッキョクグマ
- ホッキョクギツネ
- ホッキョクウサギ
- ホッキョクオオカミ
- カリブー
- ジャコウウシ
- レミング
- シロフクロウ
- ウミスズメ
- ウミガラス
- セイウチ
- オットセイ
- クリオネ
- クジラ
- アザラシ
などなど、北極というと厳しい寒さで動物・生物はあまり生息していないイメージですが、結構な種類がいます。
他にもダニやクモ、蚊などの虫といった小さい生物も生息していますし、海の中には魚はもちろん、動物性や植物性のプランクトンも生息しています。
動物・生物の細かな種類分けはしていないので、実際に生息している動物・生物は一覧よりも更に多くなります。
ちなみにもしホッキョクグマを南極に連れて行った場合、北極よりも低い南極の気温には耐え切れないそうです。
南極に生息する動物・生物
- ペンギン
- シャチ
- カモメ
- ユキドリ
- アザラシ
- オットセイ
- クジラ
北極に比べるとやはり少ないようですが、こちらも動物・生物の細かな種類分けはしていないので、実際はもっと多くの動物・生物が生息しています。
もちろん海の中にはたくさんの魚と、オキアミなどのプランクトンも生息しています。
ちなみにペンギンは北極にもいたのですが、大航海時代に人間が乱獲を繰り返したことによって絶滅してしまいました。
今回の生息動物・生物一覧表は北極圏と南極圏でまとめたため、ひょっとしたら若干の違いがあるかもしれませんが、「実際に行ったけど話が違うじゃないか!」という文句はもらわないと思います。
北極と南極はどっちが寒い?違いまとめ
イメージとしても氷に覆われた極寒の地で、北極も南極も同じように思えます。
しかし実際のところは気温には大きな差があり、生息する動物・生物にも違いがあります。
どっちが寒いかわかったところで何を得るわけでもないのですが、こういう知識は無性に人を惹きつけますね。
最近では地球温暖化によって北極と南極の気温が上昇し、氷が溶け出していることが問題視されています。
この問題は知って終わるだけでなく何か対策を考えて、難局を乗り越えられればいいですね。
…ね?
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