野菜ジュースは飲みすぎると危険?病気のリスクについて

 

現代人の多くの人が抱えている問題といえば、毎日の野菜不足

生活習慣病などの病気の危険を回避するためにも、野菜は食べなくてはなりません。

しかし、1日に必要な野菜の量と言われる、「350g」を摂取するのって大変ですよね。

しかも、野菜は値段が高かかったり、一人暮らしでは使い切れなかったり…という理由でなかなか買いづらいってことありますよね。

そこで、手軽に野菜の摂取量を補える方法として、

“野菜ジュースを毎日飲んでいる”

という方も多いのではないでしょうか?

 

野菜ジュースは手軽に飲めて、健康にもよくて便利ですよね!

ですが、野菜ジュースを毎日飲みすぎると、

「病気になる」

「身体に危険」

「効果がない」

というような噂を聞いたことはありませんか?

 

せっかく健康的になるために飲んでいるのに、野菜ジュースが病気になったり、体に危険がある、なんて言われても信じたくないですよね。

 

今回は、野菜ジュースを飲みすぎると、

「病気になる危険があるのか?」

「本当に効果がないのか?」

などの気になる部分を調べてみましたのでご紹介します。

野菜ジュースが飲んでも効果がないというのはウソ

まず、よく聞く、”野菜ジュースは飲んでも意味がないという”噂ですが、

これに関しては全くのウソと言ってしまっていいでしょう。

 

正しくは、

野菜ジュースを飲む=野菜を食べるではない

ということです。

野菜ジュースをたくさん飲めば、野菜を食べなくても良い、というわけではないのです。

 

よく見る「野菜~gという表記にダマされてはいけません。

この表記のほとんどは”野菜を~g使用しています。“と表しているに過ぎません。

当然その量の野菜を食べた時とでは、摂取できる栄養素は違います。

野菜ジュースでビタミンCは摂取できない!?

野菜ジュースは製造の過程で加熱処理をしている商品が多いです。

野菜に含まれるビタミンは熱に弱いため、加熱する過程で栄養素が壊れてしまうのです。

 

特に、お肌にいいと有名な「ビタミンC」は熱に弱いビタミンです。

商品によっては製造後に添加物などで追加しているものもありますが、そのような処理をしていない商品は、飲んでもほとんどビタミンCは摂取できないと言えます。

野菜ジュースで、生野菜と同じくらい摂れる栄養素もある。

ただ、加熱処理に関しては悪い部分ばかりでもありません。

まず、鉄分やカリウム、ナトリウムなどは加熱処理によって栄養素が失われることは、ほぼありません。

また、トマトに豊富に含まれるリコピンは加熱したほうが体が吸収しやすくなることで有名で、トマトを生で食べるよりも摂取をしやすいとも言われています。

 

野菜ジュースを飲みすぎると病気になる?

では、野菜ジュースを毎日飲みすぎると、どんな危険があるのでしょう?

病気になる可能性や、身体に危険があるというのは本当でしょうか?

 

ネットで「野菜ジュース 飲みすぎる」で検索して、ヒットする噂で多いのが、

  • 偏ったビタミン種を過剰摂取してしまうと危険!
  • 糖分が多いので糖尿病などの病気になる危険性がある!
  • 肌が黄色くなったけど、黄疸(おうたん)じゃないの?

などですね。

では、それぞれ本当のところはどうなんでしょう?

本当に野菜ジュースを毎日飲むと、糖尿病や黄疸などの病気になる危険性があるのでしょうか?

 

ビタミンの過剰摂取になる危険はほとんどない。

確かに、特定のビタミンを過剰に摂取しすぎることで、体に害を及ぼす危険はあります。

しかし、これはサプリメントなどの過剰な摂取で起きる可能性はありますが、野菜ジュースを少し飲みすぎた程度では、その危険はほとんどありません。

人体には、不要なビタミンは尿によって体外に排出する機能もあるため、ほとんどその危険性を心配することはないでしょう。

 

また、妊娠初期に野菜ジュースを飲み過ぎると、ビタミンAの過剰摂取になり、胎児に危険ともよく言われます。

しかし、これはレバーなどに含まれる動物性ビタミンAの場合であり、人参などのβカロチンは体内に残らないため、胎児に危険ということもありません。

ビタミンの過剰摂取になる危険があるというのはウソのようですね。

では、飲みすぎで病気になる危険性はないのでしょうか?


野菜ジュースの飲みすぎで糖尿病に?

野菜ジュースは飲みやすくするために、糖分や塩分が加えられています。

そのため、飲みすぎると

糖尿病の原因になる

という噂があります。

これに関しては完全に正しいわけではありませんが、事実も含まれています。

そもそも糖尿病とはどんな病気なのでしょう?

 

糖尿病の概要と症状

糖尿病とはどんな病気かと言いますと、

「血液中のブドウ糖が、異常に上昇し低下しなくなる」病気です。

 

人間は炭水化物など、ブドウ糖を含む食品を摂取すると体内の血糖値が上昇します。

健康な人であれば、「インスリン」などのホルモンが働き、常に一定範囲内に血糖値を抑えます。

糖尿病になると、この血糖値を下げるホルモンが何らかの理由で働かなくなってしまいます。

生活習慣の乱れや、暴飲暴食もこの病気の原因になると言われます。
(先天的なホルモンの分泌異常などもあるため、この病気の方が全て暴飲暴食が原因ではありません。)

 

具体的な糖尿病の症状は、

  • 喉の異常な乾き
  • 目が霞む
  • 体重が急激に落ちる
  • 手足がしびれる
  • 頻尿や尿量の増加
  • 全身がだるい
  • 月経異常

などが、挙げられます。

この病気は、重症になってくると失明、手足の壊疽が発生する危険があるという大変な病気です。

では、野菜ジュースをどのくらい飲みすぎると糖尿病のような病気になる危険性があるのでしょう?

野菜ジュースの糖質は成分表示を見よう!

前述のように、野菜ジュースの中には飲みやすくするために、砂糖や塩分を加えている商品が存在します。

しかし、全ての野菜ジュースがそのような加工をしているわけではなく、無添加の野菜ジュースも多数存在します。

じゃあ、

「どうやって見分けるの?」

と思われたと思います。

見分ける際に便利なのが成分表示欄です。

 

例えば、伊藤園「のむ野菜とヨーグルト100」の成分表示には、

【伊藤園「のむ野菜とヨーグルト100」

栄養成分表示・1本(200ml)当たり】
エネルギー64kcal
マグネシウム8~40mg
たんぱく質2~3g
カルシウム50~100mg
脂質0g
カリウム460mg
糖質13g
β-カロテン2500~13500μg
食物繊維0.2~2g
葉酸1~10μg
ナトリウム25~220mg
ビタミンK4μg

と記載されています。

 

ちなみに、炭水化物と記載されている場合は、

炭水化物=糖質+食物繊維です。

ですので、炭水化物の量から食物繊維を引いた値、

糖質=炭水化物−食物繊維と見ることもできます。

 

デスクワーク中心の現代人にとって、1日に1750kcal程度のエネルギー摂取が理想的とされています。

主なエネルギー源となる糖質1gは、4kcal相当のエネルギーに変わり、6割程度を糖質から摂取するのが理想的と言われています。

つまり、

1750kcal×0.6(60%)=1050kcal分です。

1050kcal÷4kcal(糖質1g)=263となります

つまり、1日に260gくらいは糖質を摂取したほうがいいということになりますね。

ちなみに、白米ご飯1膳(150g)に含まれる糖質は約55gです。

1日数本程度野菜ジュースを飲みすぎたからと言って、糖分の摂りすぎになるということはないことがわかりますよね。

つまり、無添加の野菜ジュースであれば、適量であれば毎日飲んでも、糖尿病などの病気になる危険はほとんどないと言えますね。


野菜ジュースの飲みすぎで黄疸になる?

 

次に、野菜ジュースを飲みすぎて顔が黄色くなった、黄疸という病気では?という噂があります。

 

結論から申し上げますと、

野菜ジュースの飲みすぎで黄疸になることはありません。

ただし、顔が黄色くなる可能性はあります

 

あなたは、みかんを食べ過ぎて、顔や手足の裏が黄色くなったという経験はないでしょうか?

野菜ジュースの飲みすぎで顔が黄色くなるのも原理は同じで、カロテノイドという色素の一種、

βクリプトキサンチンの摂りすぎによるものです。

 

βクリプトキサンチンは、脂肪に溶けやすい性質を持っており、野菜ジュースを飲みすぎる=カロテノイドを過剰に摂取すると、顔や手足などの脂肪が多い部分が黄色く染まってしまうのです。

ちなみにこの症状は、脂肪が比較的多い、女性に起こりやすいです。

 

この黄色くなる症状は、

「 柑皮症(かんぴしょう) 」と言われ、病気である黄疸とは全く違います。

単純にカロテノイドの過剰摂取のため、野菜ジュースの摂取量を減らせば改善します。

病気ではありませんし、健康上のリスクもありません。

 

黄疸との見分け方は?

どちらも顔が黄色くなる病気である、黄疸と柑皮症。

一見すると似ていますが、

黄疸は、

血中のビリルビン(血液に含まれる黄色い色素)の量が、何らかの原因によって上昇し黄色く変色する症状

ですから、何らかの異常が起きている可能性が高く、重大な病気の場合もあります。

 

ちなみに、顔が黄色い時、病気か柑皮症かどうかを見分ける方法があります。

それは、

瞼をめくって白目を見てみて、

黄色くなければ、柑皮症。(病気ではない)

黄色ければ、黄疸。(病気の可能性あり)

というものです。

白目は脂肪ではありませんので、βクリプトキサンチンの過剰摂取では黄色くならないということですね。

 

健康上の危険はありませんが、柑皮症は決して見栄えのいいものではありませんよね。

もし、野菜ジュースを飲みすぎて、顔が黄色くなった場合は、少し飲む量を減らしてみましょう。

まとめ

今回は気になる、

「野菜ジュースを毎日飲むと病気になる」

「危険だ」

という噂について情報をまとめてみました。

中にはデマも含まれていることがわかりましたよね。

 

野菜ジュースを毎日飲む方が気をつけるべきポイントは…

野菜ジュースでは補えない栄養素もあるので、野菜もしっかり食べる。

野菜ジュースを購入するときは成分表を見て、糖質、塩分の量に気をつける。

顔が黄色くなったら、白目の色から病気でないことをチェック。

といったところでしょう。

 

毎日の食生活でついつい不足してしまいがちな、野菜。

正しい知識を持っていれば、野菜ジュースはそれを補う大変手軽な方法になります。

もちろん1日数リットルなどの度を超えて飲みすぎると、糖質の取りすぎで病気になる危険はあります。

しかし、少しくらい飲みすぎたからといって、病気になるというのは少し大げさと言えるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に、これからも野菜ジュースを飲んで、病気のない健康な毎日を過ごしてくださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です