若干危機感に欠ける名前の「おたふく風邪」ですが正式には「流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)」と言い、ウイルス性の病気です。
1976年にワクチンが完成しましたが、発展途上国ではいまだ脅威となっています。
感染力の高いおたふく風邪にかかった場合、学校などの扱いは「出席停止」となります。
この出席停止の期間はいつまでか、登校日と登園日も併せてご紹介します。
おたふく風邪とは
おたふく風邪は主に春から夏にかけて発症しますが、それ以外の季節でも発症する場合があります。
ムンプスウイルスの感染で起こるおたふく風邪ですが、医者を目指していなければこの名前は忘れていいでしょう。
感染経路は飛沫感染と接触感染が主で、飛沫感染はくしゃみや咳による水滴、言ってしまえば鼻水や唾などによる感染です。
接触感染は読んで字の如く接触することで感染します。
つまりおたふく風邪にかかった人との距離が近いほど、感染する確率は高まります。
おたふく風邪の症状
おたふく風邪の症状は主に
- 顔面の疼痛(とうつう)
- 38℃以上の発熱
- 頭痛
- 咽頭痛
- こめかみ、顎などの膨張
- 膵炎
が挙げられます。
と言われてもいまいちピンとこないのでざっくりまとめると「38℃以上の高熱が出て、耳下腺(耳から下のあたり)に強い痛みと膨張があったらおたふく風邪」という感じでしょうか。
おたふく風邪による合併症
おたふく風邪は症状だけでなく、合併症の危険もあります。
代表的なのは「無菌性髄膜炎」で、おたふく風邪にかかった10人に1人が発症するとされています。
また、男性が思春期以降におたふく風邪に感染した場合、約20%の確率で生殖器にも合併症が発症します。
しかしこれによって不妊症になることは滅多にありません。
そして15,000人に1人の割合で発症するとされるのが「難聴」です。
かなり低確率とされてはいるものの、実際は184~533人に1人という調査結果も出ています。
おたふく風邪の出席停止期間
おたふく風邪は学校保健安全法で学校感染症に指定されています。
法律家になるつもりがなければ名前は忘れてかまわないでしょう。
とにかくそうした指定を受けているため、学校や幼稚園ではおたふく風邪にかかった人を出席停止とすることができます。
この出席停止期間も指定されているのですが、これは「いつから何日間」という期間ではなく「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が始まった後5日を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで」とされています。
ざっくり言ってしまえば「おたふく風邪を発症した日を含めて6日間は出席停止。そのあとは完治すれば登校・登園可能」というわけですね。
もちろん完治の診断はお医者さんにやってもらってください。
出席停止期間を設けるほどに感染力が強いおたふく風邪ですが、実は一度かかってしまうと体内に抗体が出来ます。
つまりおたふく風邪は一度しかかかりません。
また、ワクチン予防接種による効果は90%とされているため、おたふく風邪は気をつけていれば充分予防することが可能です。
おたふく風邪の出席停止期間まとめ
「お多福」とはかけ離れた「おたふく風邪」。
おたふく風邪にかかったことがなく、痛みを伴う高熱であれば、まずおたふく風邪を疑ってみましょう。
合併症の危険もありますが、それ以上に怖いのは出席停止の処置がとられるほどの感染力。
治るのが遅れるほどに登校日・登園日も遅くなってしまいます。
治らない病気ではないので、しっかりと治療をして早い復帰を目指しましょう。
よくわかった