最近は虫を触れる人が減っているそうですが、その理由については明確な答えが出せる人は少ないのではないでしょうか。
ところがその虫が蜂だった場合、触れない理由は至極単純「刺されるから」です。
一度刺された人はあの痛さを思い出し、刺されたことがない人でも「針」という言葉から痛みは想像できることでしょう。
今回はそんな怖ろしい蜂に刺されたときはどんな処置をすればいいのか、対処法と処置薬についてご紹介します。
蜂に刺されたといえばアレ
「蜂に刺されたら尿をかける」
少なくとも私と同世代までの人は聞いたことがあるであろうこの対処法ですが、まあ迷信です。
これは蜂に刺されたときの痛みは「蟻酸(ギ酸)」という物質が原因と考えられていて、そこにアンモニア水を加えると中和反応が起き、痛みが消えるという発想でした。
しかし実際のところ蜂に刺されたときの痛みの原因は蟻酸ではなく、加えて尿にはアンモニアが含まれていないため、どこを切り取っても正しい処置とはいえない対処法でした。
プレイとしてなら楽しめるかもしれません。
蜂に刺されたときの正しい対処法・処置
ではズボンを上げたところで、蜂に刺されたときの正しい対処法・処置を見ていきましょう。
蜂に刺されたときの対処法:その場を離れる
蜂に刺されたことの痛みや焦りでパニックになりがちですが、まずは第一の対処法としてその場を離れましょう。
というのも、蜂がいたと言うことは近くに蜂の巣がある可能性が高いです。
蜂の毒液は「警戒フェロモン」の効果もあり、敵がいるということを仲間の蜂に気づかれれば被害が拡大してしまいます。
ただし、その場から離れるときに大きな動きをすると蜂を刺激してしまいます。
蜂に刺されたことへの処置は、その場をゆっくりと離れてから行いましょう。
蜂に刺されたときの処置:刺された針を抜く
ミツバチは非常に温厚な性格で、こちらから害を加えなければ基本的に刺してくることはありません。
そんなミツバチに刺された場合、刺された患部に針が残ります。
蜂の針には釣り針で言う「かえし」がついているのを聞いたことがある方は多いと思いますが、蜂の針にはもう一つサービスで、「毒嚢(どくのう)」という毒が入った袋もついてきます。
この毒嚢のおかげで蜂は刺した場所から離れても、相手に毒を送り続けることが出来ます。
毒嚢は本来であればじわりじわり毒を出すのですが、刺された針を焦って抜こうとすると、この毒嚢を圧迫して一気に体内に毒が入ってきてしまいます。
なので刺された針を処置する際は、刺された針の部分のみを掴むようにしましょう。
ピンセットや毛抜きがあれば便利ですが、他にはテレホンカード…
…ひょっとして今の時代にテレホンカードという説明は不向きでしょうか。
スーパーのポイントカードのような硬めのカードがあれば、それで患部を横に弾くようにして刺された針を抜いてください。
もしセロハンテープなどがあれば、くっつけて抜くことも可能です。
もちろんこの場合も毒嚢を圧迫しないように気をつけてください。
ちなみにミツバチが針を刺せるのは一生のうちに一度だけです。
「処置がめんどくさいなあ」と思うでしょうが、ミツバチが命を賭した攻撃と考えれば納得できるでしょう。
蜂に刺されたときの処置:毒を洗い流す
刺された針を抜いたら水道水など流水で5分間程度、患部から毒を洗い流します。刺された患部を冷やすことも、処置として正解です。
このときに刺された患部のまわりをつまみ、血と一緒に毒を搾り出すと効果的です。
ここで「そうか、毒を吸い出せばいいんだな」と、ワイルドに口で毒を吸い出すのは非常に危険ですのでやめてください。
毒を吸い出す場合は注射器のような形をした専用の器具「ポイズンリムーバー」を使いましょう。
蜂に刺されたときの処置:処置薬を塗る
刺された針を抜き、毒を洗い流したら処置薬を塗ります。
処置薬には抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を選んでください。というと難しく聞こえますが、市販されているだいたいの虫刺され薬が当てはまります。
蜂に刺されたときの処置薬としてよく挙がる名前は以下の3つ。
- ムヒアルファEX(池田模範堂)
- フルコート軟膏(田辺三菱製薬株式会社)
- リンデロン-VG軟膏(塩野義製薬株式会社)
処置薬を塗ったからといって安心せず、刺された患部は冷やし、早めに病院へ行って相談してください。
蜂に刺されたときの対処法と処置薬まとめ
この対処法さえやれば蜂に刺されても安心!とはいえませんが、少なくとも被害を小さく抑えることは可能です。
毎年蜂に刺された方が亡くなったという報道がありますが、蜂に刺されても正しい処置と病院での受診をしっかりすれば、確率は減らすことができます。
蜂は大きな音や動き、黒色、香りの強いものに反応します。
これらに気をつけ、蜂に刺されないようにすることが一番の対処法といえるでしょう。
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