「仏の顔も三度まで」という言葉があります。
ご存知の通りこれは、優しい仏様であっても顔を三度もなでられれば怒るという意味です。ちなみに「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」が正式な形です。
では蜂に刺された場合はどうでしょうか。
1回刺されただけでも激痛が走るのに、2回目にはアナフィラキシーショックの危険まで出てきます。
「蜂の針は一度まで(?)」2回目に刺された場合の危険について知っておきましょう。
蜂に刺されたら何が危険
まずは問答無用の痛みです。
しかし裁縫をしているときに指へ針が刺さっても、蜂に刺されたときほどの痛みも持続性もありません。
蜂に刺されたとき、針から蜂の毒が体内に注入され、その毒による刺激が痛みの原因となります。
そしてもう一つの危険がアレルギー反応です。
こちらも体内に注入された蜂の毒が原因で、毒の成分に対してアレルギー反応が起きると場合によって
- 息苦しさ
- 腹痛
- 気分が悪くなる
などの体調不良を起こす場合があります。
しかしおおよそ1~2時間程度が経過すれば、蜂に刺された症状は落ち着きます。
ただ、「蜂に刺された日は一日中痛みが引かなかった」「蜂に右手を刺されたが、左手の2倍くらいに腫れ上がった」なんて話も聞きますので、このあたりは個人差と言うほかないでしょう。
ところでこの1回目に刺されたことによって、体は蜂の毒がどんなものかを覚えました。
蜂の毒がどんなものかわかったので、体は抗体を作って2回目の刺されたときに備えます。
一見ありがたいこの体の働きが、危険なアナフィラキシーショックの原因となります。
2回目はアナフィラキシーショックに注意
蜂に刺されたのも忘れた頃、楽しくキャンプをしていると足に痛みが。
なんと蜂に刺されているではないですか!
「あー、くっそー!」なんて言いながら痛みに耐えて前回同様にこれを参考に処置していると、急激に体調が悪くなってきます。
- 発疹
- 紅潮
- 下痢
- 腹痛
- 嘔吐
- めまい
- 意識障害
- 呼吸困難
- 血圧低下
このような症状が短時間で起きたら、それはアナフィラキシーショックの危険があります。
アナフィラキシーショックの原因
毒の成分がこうで、抗体の成分があれでと言ってもややっこしいだけなので、ここはシンプルにいきましょう。
アナフィラキシーショックとは、毒に対する体の過剰反応が原因で起こります。
1回目に蜂に刺されたとき、体には蜂の毒に対する抗体ができました。
2回目に蜂に刺されたとき、「あの毒が入ってきた!」と抗体が反応します。
この抗体の反応が異常に反応すると、アナフィラキシーショックが起こります。
例えるなら正面から車が来たとき、ちょっと横にずれればいいところをアクション映画さながらに横っ飛びして、その先の壁にぶつかって骨を折るようなものです。
アナフィラキシーショックの特徴
症状は先に挙げましたが皮膚の異常、体調不良から重篤な症状となり、最悪の場合は命を落とします。
なにより危険なのは、アナフィラキシーショックは短時間(30分以内)に発症するため、すばやい判断が求められます。
2回目に刺されたら
まず間違いなく言えるのは、早く病院へ行くことです。
しかし蜂に刺されるのはキャンプ場など病院から離れた場所が多く、救急車を呼んでも時間がかかります。
アナフィラキシーショックに対する応急処置には、以下の方法があります。
- エピペンを使う
- 安静にする
エピペンとは「アドレナリン自己注射薬」のことで、言うなれば解毒剤ですから、アウトドアが趣味であれば備えておくと役立ちます。
安静にするときは嘔吐してもいいように顔は横向き、足はリュックなどを下に入れて少し高めにしておきます。
2回目に刺されたらアナフィラキシーショックは絶対か
蜂に2回刺されたら絶対にアナフィラキシーショックが起こるかといわれれば、それはNOです。
蜂に刺されるのが1回目でも命を落とす方はいますし、逆に何回も刺されているの命に別状がない方もいます。
ただし刺されたのが1回目よりも2回目の方が、アナフィラキシーショックを起こす確立が高いのはたしかです。
アナフィラキシーショックまとめ
私たちの生活圏で危険とされる蜂はアシナガバチとスズメバチです。
中でもスズメバチは毎年話題になるため、その攻撃性が高いことは知っての通りです。
刺された痛みだけでも耐えがたいのに、2回目にはアナフィラキシーショックの危険まで付きまといます。
特に夏場のアウトドアでは蜂に刺されないように気をつけ、できればエピペンを備えておくと危険は減らすことができます。
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