日本とバングラディシュの国旗、野球とソフトボール、おすぎとピーコなどなど、この世には似たものが多数存在します。
人間の世界でこれだけ似ているものがあれば、虫の世界でも似たものが存在します。
特にムカデ、ゲジゲジ、ヤスデは個々の違いをわかってもらえず、名前を混同されがちです。
そこで今回はムカデ、ゲジゲジ、ヤスデの個々の特徴の違い、見分け方についてご紹介します。
いざというときの駆除方法も併せて。
今回は虫の画像が多いので、苦手な方はご注意ください。
ムカデの特徴
まず一番に覚えておきたいムカデの特徴は、ゲジゲジやヤスデと違ってムカデは害虫と言うことです。
…まあムカデもゲジゲジもヤスデも不快害虫(見た目が不快)という酷いジャンルにいるわけですが、ムカデは見た目以外にも刺咬つまりは噛みついてきます。
肉食で他の昆虫を捕食するムカデのアゴには毒腺があり、噛まれるとそれ自体の痛みに加え、毒による痛みも加わり炎症などの症状が出る場合があります。
過去に一度噛まれた人は蜂の場合と同様のメカニズムで、アナフィラキシーショックを起こす危険があります。
⇒蜂に2回刺されたら危険?アナフィラキシーショックについて紹介
そんな危ない特徴を持っているムカデなので是非記事後半で紹介するゲジゲジ、ヤスデとの違いを理解して見分け方を覚えておきましょう。
まあそもそもこれに自分から触りにいく人はあまりいないと思いますけど。
ちなみに10年程度生きる個体もいるので、一度出会うと長い付き合いになるかもしれません。
ゲジゲジの特徴
まずその見た目だけで避けられるどころか不快害虫なんてジャンルに置かれるゲジゲジですが、「ゲジ眉」といった表現には使われたりと、人間のわがままにさんざん振り回されてます。
正式名称は「ゲジ(蚰蜒)」ですが、なんでゲジゲジに増やしちゃったんでしょうか。
見た目の特徴はムカデよりも足が長く、インリン・オブ・ジョイトイに負けず劣らずのM字ポーズを披露します。
ムカデと同じく肉食性なので噛みつく場合もありますが、その毒はかなり弱いので人間に害を及ぼすことはありません。
つまり完全に見た目だけで大損ぶっこいちゃってるかわいそうな虫というのがゲジゲジ最大の特徴です。
ヤスデの特徴
そもそも「ヤスデ」という名前をあまり聞かないのではないでしょうか。
人生の中でヤスデに出会う確率と安田に出会う確率では、後者の方が比較にならないほど上でしょう。
ところでダンゴムシはご存知ですね。
ひょっとしたら子どもの頃につっついて遊んでいたダンゴムシ、それヤスデだったかもしれません。
ムカデやゲジゲジと間違いやすいヤスデはヤケヤスデといって、ざっくり言えばダンゴムシを長くしたしたような見た目です。
ヤケヤスデに対してもう名が体を表すはタマヤスデ。
おそらくダンゴムシとの見分け方はまずわからず、しかもつっつくと丸くなる習性もあるので、お前もうヤスデじゃなくてダンゴムシって名乗っちゃえよ。
そんなヤスデですがムカデやゲジゲジと違って雑食で、主に枯葉などを食べて生きています。
ヤスデの糞には栄養が多く、樹木の生長には欠かせないものであり、ミミズなどと同じく分解者として土壌を豊かにしてくれます。
毒も持ち合わせてはいますが、噛みつくものではなく体表から毒液が出ています。
毒液の特徴は臭く、皮膚に炎症を起こすのが限界です。
しかし体内に入れると大変危険で、狩猟用の矢毒として用いられた記録や、「鍋に1匹入ればその鍋が食べられなくなる」とも言われます。
そもそも食いたくないわこんなの。
ちなみに密封すると毒液の臭いでヤスデ自身が命を落とすそうです。
温厚な性格で土壌を豊かにする役割を持ちながら、その見た目からゲジゲジに輪を掛けて損をしていることこそがヤスデの特徴です。
ムカデ・ゲジゲジ・ヤスデの見分け方
ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデを並べた場合、直視さえできれば見分け方を知らなくても違いがわかり、見分けることができるでしょう。
しかしどれかが1体だけ現れたのであればどうでしょうか。
ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデの中で特にムカデは危険性が高いので、見分け方を覚えておきましょう。
ヤスデの見分け方
ヤスデの特徴でもご紹介しましたがダンゴムシに似た、もしくはそれを長くしたような見た目がヤスデです。
足は体の外側ではなく下側に向かって生えています。
見分け方より特徴の部類かもしれませんが、ヤスデは足が遅いです。ここだけちょっと親近感があります。
ムカデ、ゲジゲジの見分け方
この2体は見分け方を知らないと間違いやすいのではないでしょうか。
ムカデには
- ゲジゲジより足が短い(体の横幅と同じくらい)
- 体の節がハッキリと確認できる(四角が連なっているように見える)
- 一つの節から足が一対(左右に一本ずつ)
こうした見分け方があります。
対してゲジゲジには
- ムカデより足が長い(体の横幅よりも長い)
- 体の節がハッキリと確認できない(しま模様に見える)
- 一つの節から足が二対(左右に二本ずつ)
こうした見分け方があります。
見た目が理由の不快害虫を直視できないと見分け方が使えないというのは、なんとも皮肉な話です。
ムカデ・ゲジゲジ・ヤスデの駆除方法
駆除方法といえば薬品散布がイコールで出てきそうですが、必要以上に薬剤を使うことは自然環境で考えても、虫に害を与えるということは人体にもわずかながら害があるのでよくありません。
とはいえ緊急時や即効性で考えれば薬剤散布は有効です。
ムカデ・ゲジゲジ・ヤスデの駆除方法として薬剤を使うのであれば、最近ではこれらを主な対象にした殺虫剤が売られているのでそれを使いましょう。
薬剤散布以外のムカデ・ゲジゲジ・ヤスデ駆除方法
駆除方法と言うよりも、そもそもムカデ、ゲジゲジ、ヤスデがいなければ駆除をする必要もありません。
なのでムカデ、ゲジゲジ、ヤスデにとって居心地の悪い環境を作ります。
- 高温多湿
- 食料(昆虫や枯れ葉)が多い
こうした環境はムカデ、ゲジゲジ、ヤスデにとって一等地です。
せっかく買った庭付き一戸建て。
庭にしばらく置きっ放しのタイヤがあれば、その下は湿気が多くなっていますし、風邪も通りづらいです。
子どもが産まれた日に植えた木から落ちてきた葉っぱを放って置いては、ヤスデにとって無料のバイキングですし、そこを住処にする昆虫が増えれば今度はムカデとゲジゲジが口コミで集まってきます。
- 風通しを良くする
- 物を置きっ放しにしない
- 清潔を心がける
これだけでムカデ、ゲジゲジ、ヤスデと出会う回数は減らすことができ、そうすれば駆除方法に悩む必要もなくなります。
ムカデ・ゲジゲジ・ヤスデの特徴と見分け方、駆除方法まとめ
自然の中で生きている以上ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデといった虫に一切出会わないわけにはいきません。
ムカデは危険があるから注意が必要ですが、ゲジゲジとヤスデについては警戒の必要はほぼありません。
特徴の違いや見分け方を覚えて、各々に合った対処をするようにしましょう。
しかし生活圏に入られてしまいどうしても駆除が必要になった場合、緊急時には薬剤を使い、そのあとに生活環境を見直すことが最高の駆除方法といえるでしょう。
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