「ご自愛ください」の目上の方への使い方や例文と返事の仕方

Eメールが普及した現代においても、手書きの手紙はなくならないものです。

中でも「ご自愛ください」を用いた相手の健康を気遣う手紙は、手書きの方が気持ちがこもるものです。

ところでこの「ご自愛ください」は目上の人にも使っていいものなのでしょうか。

一度のミスが大きな手間となる手書きで失敗しないために、今回は「ご自愛ください」の使い方や例文、そしてもらった場合の返事の仕方をご紹介します。

「ご自愛ください」とは

「あの言葉の本当の意味は～」などなど言葉の誤用が指摘されることの多い昨今。

しかし「ご自愛ください」は文字の見た目からもわかるように「ご自身を大切にしてください」と、主に相手の健康面を気遣う言葉です。

ドリフ大爆笑のエンディングテーマでいかりや長介さんが言っていたあの台詞も、考え方によっては「ご自愛ください」と捉えることができます。

尊敬語だ謙譲語だいろいろと言葉遣いを指摘されることの多い昨今。

目上の方に「ご自愛ください」はひょっとしたら失礼になるのではないか。

そんな心配はご無用で、「ご自愛ください」は目上の方に使っても失礼ではなく、むしろ目上の方にこそ使うべき言葉です。

そして老若男女の分け隔てなく使える非常に便利な言葉です。

ちなみに「ご自愛ください」の後ろに「ませ」を付け加えて、「ご自愛くださいませ」とすると更に丁寧な言葉になるので、憶えておいて損はないでしょう。

例文といっても、「ご自愛ください」は結びの言葉なので何かしらの文章の後につければだいたい正解です。

例えば暑中見舞いであれば「まだまだ暑い日が続きそうですので、ご自愛くださいませ」を結びの言葉にすればいいのです。

適当なこと言ってそうな雰囲気ですが大丈夫でしょうか。

音が良いので何気なくやってしまいがちですが、「お体ご自愛ください」はNGです。

「ご自愛ください」にはすでに「自分の体を大切にしてください」という意味があるので、「お体ご自愛ください」は「右に右折してください」と同じです。

また、すでに体調を崩している方に「ご自愛ください」は使いません。

お見舞いの場合は「一日も早い快復をお祈り申し上げます」などに替えましょう。

「じあい」で変換するとこの2つが出てきます。

「慈愛」の方が難しい漢字を使っててランクが上のように見えますが、この言葉は「いつくしみ」「深い愛情」などの意味で、例えば「慈愛に満ちた目」といった使い方をします。

なのでもし「ご自愛ください」のつもりで「ご慈愛ください」なんて書いた日には、「この人はよっぽど愛情に飢えているんだな」と誤解されます。

ヤギが食べなきゃやはり手紙には返事をしたいもの。

また、「折り返しご一報ください」なんて書かれてた日には返事をしないわけにはいきません。最近私のEメールが無視されることが多いのはこの一言を付けていないせいでしょうか。

さて返事の仕方といっても「元気ですか？」「はい元気です」のような内容なので、それほど難しくはありません。

お気遣いいただき誠にありがとうございます。【名前】さんもどうぞお体にはお気をつけください。

これが典型的な例文で、「心配してくれてありがとうございます」に「ご自愛ください」を足したような内容で返事を出しましょう。

相手の体を気遣う「ご自愛ください」は目上の方へも使っても失礼にならず、使い方や返事の仕方も簡単で非常に優秀な言葉です。

といっても使いすぎて「本当に気遣ってるのか」と疑われるのもあれなので、回数だけには気をつけたほうがいいかもしれません。

こちらもぜひチェックしてみてくださいね。